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同調性が悪い時にどこを直したらいいのか悩む事が多いのでいくつか症例(シナリオ?)をあげて頂けるとうれしいです。

同調性が悪い=非同調として回答いたします。
 非同調の種類は以下の通りです。

1.トリガー
 ・ミストリガー
 ・オートトリガー
 ・ダブルトリガー
 ・リバーストリガー
2.流量
 ・流量のミスマッチ
 ・不適切な立ち上がり時間
 ・モードの非同調
3.タイミング
 ・早い吸気終了
 ・遅い吸気終了

 

すべてを説明することはできませんので、今回は症例を1例あげ、どのような考え方で進めばよいのかをお示しさせていただきます。

 

 

症例:70代女性(身長160㎝ 体重50㎏)肺炎にて挿管。
モード:AC/VC 
設定:TV 400ml 流量30ml/min 漸減波 換気回数 12/分 PEEP5H2Oフロートリガー 2L/min 
患者データ:最大吸気圧:20H2O 呼吸回数25/分 身体所見として陥没呼吸がみられる、上記の波形での異常は流量波形・圧波形に現れています。

 まずグラフィックの異常ですが、設定した流量が患者の吸気努力にみあっていない場合に圧波形が凹んだ状態を起こします。これをサギングといいます。
 患者のフィジカルサインとしては、頻呼吸・陥没呼吸、胸腹奇異呼吸を認めることがあります。吸気流量が足りないことで呼吸仕事量の増大による呼吸筋疲労、肺胞拡張圧(肺胞内圧−胸腔内圧)の上昇による肺のゆがみの出現から肺障害を起こす可能性がありますので注意が必要です。設定項目の変更としては、流量設定を上げるもしくは呼吸器モードをPCVもしくはPSVへ変更する、といったものがあります。
 このように非同調はグラフィックで発見できる異常・フィジカルサインとして観察される異常などの客観的情報と、患者の訴えを聞き自身の主観的な情報を総合し判断することが求められます。