CO2が貯留してレベル低下、気道確保がやや不確実なのをどこまでねばるのでしょうか?

ガイドラインでは、CO2ナルコーシスによる意識障害は短時間で意識回復することが多いので、例外として適応とすることが多い』とされています。急性期導入の注意点として、『多くの場合NPPVを開始して30分~1時間後に動脈血ガスを測定』するとガイドラインにも記述されていますので、短時間の解釈としては30分~1時間を目安にされると良いのかもしれません。

 

ただ、これはCO2貯留の問題だけですので、気道確保が不確実についての問題があります。気道が確保できない状態というのはNPPVの禁忌または適応注意となります。NPPVを装着しても胸郭の運動が見られていない1回換気量が少ない呼吸音が聴取されないなど換気が十分に行われていない状況は気道の問題も考える必要があります。
気道確保が十分にされていないと判断された場合、または気道確保が難しい可能性を予測している場合は、即座に気管チューブによる気道確保の上、人工呼吸器を装着できる環境を整えてNPPVを使用することが重要です。

 

当然、これだけの対処をしなければいけませんので、医師だけで孤軍奮闘するのではなく、看護師、臨床工学技士、理学療法士など呼吸ケアに関わるスタッフでチームを組んで対処できる環境が十分整っている事が条件になります。

 

 

 

参考文献
NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドライン 改訂第2版 日本呼吸器学会NPPVガイドライン作成委員会